ギロ目

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柿の赤らむ季節

子実装は垣根の下から窺っていた。 庭の地べたにぶつかり、半分つぶれかかった赤いアマアマの実を。 甘い匂いが、鼻炎にかかりやすい実装石にしては綺麗な鼻腔を擽る。 母親の言葉が脳裏を過ぎったが、それがどうしたと思い直し仔実装は垣根を潜った。 あの赤い実を食す。それが最後の望みなのだから。 その日の朝、仔実装の母親が死んだ。暫く前から体調が優れていなかったが、その死はあまりにも唐突だった。 長女は母親の […]