プレミアム実装

チッ…虐待しようかと思ったらプレミアム実装かよ

しゃあねぇ、フリスクやらぁ

「ニンゲンさんアリガトウデスゥ」

後、コーラもやるよ

「グベェ!?」

人から恵んで貰った衛生法に準拠する飲食物を公道等で嘔吐した場合
プレミアム実装免許は剥奪される
その為、親実装は必死で耐えた。全ては子供のため
親がプレミアム実装とそうでない場合では子供の将来は天と地の差が付く
既に子供を産み終えて弛んだ自分と違い、子供には未来が有る…
そう思い耐えた。それが裏目に出たのだ

フリスクとコーラで急激に膨張した体は実装服を突き破り
爆発するが如き膨張に巻き込まれた子実装の体は紙細工の様に一瞬で細切れと化し
そのまま膨れ行く体に練りこまれ道路と一体化した

「デッビョボアアアアア!!!」

嗚咽とも絶叫とも付かぬ鳴き声が辺りに響いた

春、実装石免許更新センター

「デスゥデスゥ」

剥げ裸と見間違えるかのようなみすぼらしい親が
ビー玉サイズに萎縮した子実装の頭を抱え受付へ這いずっていた

「公道でのパンコン-320点、血縁関係に有る子実装殺傷-560点、以上で15点分全て消失により、プレミ
アム実装免許剥奪、-200点以上なので糞蟲認定となります。」

「デ…テ…テッチューン…テッチューン」

「ご了承下さい」

「テ…」

「デスゥーテッチュー(ママちゃ今怖い夢見てるです)」

サクラが舞い落ちる中を襤褸切れの様になった実装石が歩く

「テッチューン(怖い夢です。もうスグ醒めてまたプレミアム免許見せてバイトして、一緒に御飯食べるデス」
干からびた子実装の頭は何も答えない、乾いた脳味噌が転がるコロコロと言う音が静かに響いてくる
「デ…デデ…デ…デピャ…デピャピャ…」
笑い声を上げても狂えない
頭上に咲き誇るサクラ、彼女の目には舞い落ちる花びらが冬を越えた実装への祝福と言うより
美しい花が咲いてもスグに散ってしまう壮絶な上げ落しに見えた