ウジちゃんは糞虫じゃなくウンチなんデスゥ

「テッテレー」
ダンボールハウスの中に元気な産声が響きました
かわいいウジちゃんの誕生です
「ママーはじめましてレフ~だっこしてレフ~」
親実装はウジちゃんの粘膜を雑に舐めとると

ハウスの隅にあるウンチの山に投げつけました
ビチャッ!「レピャッ!」
ウンチにまみれながらウジちゃんは抗議します
「ママー!なんでイジワルするんレフー!」「ウジちゃん愛されるために生まれたんレフー!」
親実装は言いました
「胎教もしてないのに幸せ回路全開で生まれるとはとんだ糞蟲デス」「コドモなんていらんかったデス!でも情けをかけてやるデス」「オマエの名前は糞蟲デス!食われたくなかったらウンチだけ食って勝手に生きてろデス!」

そう言うと親実装は食事を探しに出かけました
もちろんウジちゃんの分を探す気などさらさらありません
ウジちゃんは一人ダンボールハウスの片隅で泣きました
「レェェェンレェェェン」
でもなにも起こりませんしなにも変わりませんでした
そしてお腹が空いたのでウンチを食べました
ウンチはとても不味く食べるのは嫌でしたがママに食べられるのはもっと嫌でした
「ウンチさんあったかいレフゥ…」
発酵中のウンチは温かく、まるでママのお腹のなかで夢見た優しい抱擁のようでした

親実装が家に帰ると糞蟲と名付けたウジちゃんが死んでいました
どうやらウンチを喉に詰まらせたようです
「ウンチで太らせてから食うつもりだったデスが期待はずれデス」「まったく役に立たなかったデス糞蟲以下デス」「ウジちゃんは糞虫じゃなくウンチなんデスゥ」
そうつぶやいてから親実装は食事にしました
ウジちゃんの死骸はそのまま放置され、数週間後には腐りきってウンチと同化しました
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